■小児歯科とラクトフェリン

鳥山 栄(たんぽぽ小児歯科)

食育の原点が、まさに口にあり、特に赤ちゃんの栄養である母乳そのものが生命力の根源なのだと思われる。25年にわたる小児歯科との関わりから得られた実践と経験から、ラクトフェリンの作用機序と母乳の働きは、ほぼ一致するという感を持った。
母親学級で話す内容は赤ちゃんと口のかかわりを十分に理解したうえで話されるべきで、赤ちゃんは将来の正常な機能の獲得により健康に成長する。ベルステージは歯の発生図で外胚葉性のもので胎生8〜13週に歯の原基が形成される。妊娠時のつわりが始まる3か月目に入る時にはすでに歯の芽が形成され始めているということになる。
乳歯は母親のお腹の中で作られ、永久歯は出生してから作られる。


 赤ちゃんの口の中の形状は大人とは異なった固有の形態を持ち、哺乳に適した形状を示す。特に顎間空隙などは母親の乳首を絶対に」傷つけることがないように空いている。
原始反射のスポットが切歯孔あたりに存在しており、口唇と舌に挟み込まれた乳首を吸綴窩にとりこみ母親の射乳反射で放出させる乳を、将来使われる側頭筋、咬筋を使って嚥下のみの哺乳で食育を行うことになる。すなわち生まれながらにして哺乳ができる仕組みになっている。吸綴窩の変化が生後10週〜3歳までと、3歳までの乳歯の完全崩出がほぼ同時に完了される。吸綴窩は深い溝から平らな口蓋へと変化する。この間になされる食育が人生の始まりである乳幼児期に正しい形で獲得されることが非常に大切である。人間の原始感覚という触覚・臭覚・味覚の3大感覚が口の中にあり、心の要というか基礎を作り出している。つまり、感情面とかメンタルな部分に大いに関与し、将来大人になった時に精神力で踏ん張りの効く力が培われる。口が成長・発育の始まりという所以である。


この時期、側頭筋、咬筋は未完成であるため、射乳による流し込みの嚥下時にはオトガイ筋がわずかに使われる。また、中咽頭が未だなく鼻呼吸しながら嚥下は可能である。次に正しい口輪筋の使い方として母親の乳輪を大きくくわえることで正常に成長する。これは口呼吸の防止にかかわり口を閉じる筋肉の重要な働きとなる。これらは母親とのかかわりがスピリチュアルな部分で存在する証となる。ラクトフェリンの愛情ホルモン作用の原形ともいえ、様々な形で赤ちゃんの成長を助ける。







母親の細やかな愛情の掛け方によって育つ心と体の2本立てで成り立っている。まさにラクトフェリンが初乳に多く含まれる由縁で少量でも十分にカロリーが高く、赤ちゃんに与えられる最初の栄養源というわけである。1週間で変化する栄養成分などは、やはり人間の乳としての、これも証となる。  









人乳と牛乳を比べると、ほとんどの含有量は牛乳が優位であるが、唯一糖とアルブミンは人乳のほうが多い。アルブミンは血清アルブミンが一般的でありこの部分がラクトフェリンになる。糖は母乳の血糖値に関係して授乳中の母親は多量の水分と炭水化物が必要になる。3つ目のぼた餅といって出生21日の生明け(うぶあけ)の日に近所の人にぼた餅を振舞う。それを母親も頂き、お乳を多く出す。次に牛乳はカゼインの多さに問題があり、カゼインとして摂取したCaは大人の場合など血中のCa濃度が急激に上昇してそれを調節するために本来ある骨中や血中のCaを水分を道連れ尿として多量に排出する。結果的にCaを大量に失うことになり、これが骨粗鬆症を誘発する。野菜や小魚でCaを摂取するとゆっくり吸収されCaを失うことがないということになる。

カゼインはもともと消化しにくい胃に入ると固まり易い。生まれてすぐに歩く牛と、1年も経たないと歩行ができない人間とでは生命エネルギー源としてはミルクと母乳とでは異なりすぎると思われる。牛乳はあくまで子牛の飲み物と考えるべきであり、牛乳を飲んだ尿は酸性で、母乳を飲んだ尿は中性またはアルカリ性を示す。

ラクトフェリンには抗酸化作用、抗炎症作用、抗ウィルス作用、免疫調節作用、愛情ホルモン作用等がいわれているが、まさに母乳の作用秩序と酷似している。赤ちゃんの胃は胃液の分泌は少ないため、ラクトフェリンは胃から腸へと移行しやすい。
また乳糖を分解するラクターゼは腸粘膜に存在し、特に赤ちゃんの時に多く、大人になると減る。これもラクトフェリンのレセプターが腸粘膜にあるという事象を証明しているものと考えられる。







母乳とラクトフェリンの関係の本当の姿は人工的な哺乳形態と、他の動物の乳でなされることは自然の摂理に反していると思われる。著者の経験では更年期において鉄分が第二酸化鉄として血中に放出されることにより様々な不定愁訴が生じたが、ラクトフェリンの服用によって軽減されたことを認めた。特に頭痛は女性ホルモンの作用で引き起こされるが、更年期においては嘔吐を伴ない、重篤になる傾向がみられたが、ラクトフェリンを3ヵ月服用して症状の軽減が認められた。また別の症例では生理痛で多量の鎮痛剤を服用していたが、ラクトフェリンを1日3錠服用させたところ、症状が軽減し服用していた薬の量が激減させることが出来た。頭痛に効くエリプトファン、トリプトファンはセロトニンがレセプターになり鎮痛作用を示す。セロトニンは体内時計の役割があり、交感神経と副交感神経に働くが、更年期によるセロトニンの減少が自律神経の狂いを生じさせ、脳内ホルモンにも作用するラクトフェリンが効果を示したものと思われる。つわりでの嘔吐と更年期の女性ホルモン(特に母乳に係わるプロラクチン)の減少により惹起される頭痛との関係やアドレナリン量の減少も頭痛の一因と考えられる。また、ラクトフェリンの作用として痛みの軽減があるのは、赤ちゃんに痛みを味あわせることを防いでいるものと思われる。

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